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米国株は今が買い時?下落相場で慌てないための投資ルールとリバランス

この記事は約8分で読めます。

米国株が大きく下落すると、

「今が買い時なのでは?」

と考える人がいる一方で、

「さらに下がるかもしれないから、いったん売った方がよいのでは?」

と不安になる人もいます。
どちらの気持ちも自然なものです。

しかし、長期の資産形成で大切なのは、毎回の相場の上げ下げを正確に当てることではありません。

重要なのは、あらかじめ決めた資産配分を守り、相場が大きく動いたときにも感情ではなくルールに従って行動することです。

この記事では、米国株の下落局面で考えたい投資と投機の違い、感情的な売買を防ぐ方法、リバランスの仕組みについて解説します。

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米国株は今が買い時なのか

米国株が下落した場面では、ニュースやSNSでさまざまな意見が飛び交います。

「割安になったから絶好の買い場だ」

という意見もあれば、

「景気後退や地政学リスクを考えると危険だ」

という意見もあります。

しかし、米国株が買い時かどうかは、すべての人に共通する答えがある問題ではありません。

たとえば、20年後の老後資金を作るために積立投資を続けている人と、数年後に住宅購入資金として使う予定の人では、同じ下落相場でも取るべき行動が異なります。

長期間使う予定のないお金で投資している人にとっては、価格の下落が安く買える機会になることがあります。

一方、近いうちに使う予定のお金を株式に投資している場合は、相場の回復を待てない可能性があります。

つまり、相場が買い時かどうかを考える前に、まず確認したいのは次の2点です。

  • そのお金をいつ使う予定なのか
  • 一時的にどの程度値下がりしても耐えられるのか

相場の状況だけでなく、自分の運用期間とリスク許容度を基準に考えることが大切です。

「安くなったから買う」だけでは投資にならない

株価が下がると、反射的に買いたくなる人もいるでしょう。

しかし、単に「安くなったから」という理由だけで買うと、投資ではなく短期的な値動きに賭ける投機に近づきます。

投資と投機の違いは、保有期間の長さだけではありません。

投機は、価格が上がるか下がるかを予想し、値動きから利益を得ようとする行為です。

一方、長期投資は、企業や世界経済が長期的に成長することを前提に、資産を保有し続ける考え方です。

株価が下がった場面で買い増す場合も、

「下がったから何となく買う」

のではなく、

「自分が決めた資産配分より株式の割合が下がったため、元の割合に戻す」

というルールに沿って行動する方が再現性があります。

投資で失敗しやすい最大の原因は感情

相場が大きく動くと、私たちは冷静な判断をしにくくなります。

株価が上がり続けていると、

「もっと上がるのではないか」

と考えて高値で買いたくなります。

反対に株価が大きく下落すると、

「このまま資産がなくなるのではないか」

と不安になり、安値で売りたくなります。

その結果、

  • 上がった後に買う
  • 下がった後に売る

という、本来望ましくない行動を取りやすくなります。

これは意思が弱いからではありません。

人間は利益を得る喜びより、損失を被る苦痛を強く感じる傾向があります。

だからこそ、投資では気合いや根性に頼るのではなく、感情が入る余地を減らす仕組みが必要です。

相場が荒れる前にマイルールを決める

株価が暴落してから投資方針を考え始めると、恐怖や焦りの影響を受けやすくなります。

比較的冷静でいられる平常時に、あらかじめルールを決めておきましょう。

たとえば、次のようなルールです。

  • 毎月決まった金額を積み立てる
  • 相場が下がっても積立を止めない
  • 年に1回だけ資産配分を確認する
  • 目標の配分から一定以上ずれたら調整する
  • 生活防衛資金には手をつけない
  • 数年以内に使う予定のお金は株式へ投資しない

こうしたルールがあれば、ニュースを見て慌てて売買する必要が少なくなります。

投資では、優れた予想をすることより、続けられるルールを作ることの方が重要です。

リバランスとは

リバランスとは、値動きによって変化した資産の割合を、当初決めた配分に戻すことです。

たとえば、10万円を次のように分けて投資したとします。

  • 資産A:5万円
  • 資産B:5万円

その後、資産Aが25%値上がりし、資産Bが25%値下がりしたとします。

すると、それぞれの金額は次のようになります。

  • 資産A:6万2,500円
  • 資産B:3万7,500円

資産全体は10万円のままですが、配分は50対50ではなく、62.5対37.5に変化しています。

ここで、値上がりした資産Aを1万2,500円分売り、そのお金で資産Bを買います。

すると、再び次の配分に戻ります。

  • 資産A:5万円
  • 資産B:5万円

このようにリバランスを行うと、機械的に次の行動ができます。

  • 値上がりした資産を一部売る
  • 値下がりした資産を買い増す

つまり、感情に左右されずに「高くなったものを売り、安くなったものを買う」という行動がしやすくなります。

リバランスをすると必ず利益が出るわけではない

リバランスにはメリットがありますが、実施すれば必ず資産が増えるわけではありません。

たとえば、値上がりした資産がその後も上昇を続けた場合、途中で売ったことでリターンが下がる可能性があります。

また、課税口座で保有している商品を売却すると、利益に対して税金がかかることもあります。

商品によっては、売買手数料が発生する可能性もあります。

そのため、リバランスを頻繁に繰り返す必要はありません。

一般の個人投資家であれば、次のような方法が現実的です。

  • 年に1回確認する
  • 目標配分から5~10ポイント以上ずれた場合に調整する
  • 売却せず、毎月の積立額を調整して元の配分へ近づける

特に積立期間中は、値下がりして割合が減った資産への積立を増やすことで、売却せずにリバランスできます。

これを「ノーセルリバランス」と呼ぶこともあります。

リバランスには分散投資が必要

リバランスは、複数の異なる資産を保有して初めて機能します。

米国株だけを保有している場合、株価が下落しても、値上がりした別の資産を売って米国株を買い増すことはできません。

そのため、リバランスを活用するには、値動きの異なる資産を組み合わせる必要があります。

代表的な資産には、次のようなものがあります。

  • 国内株式
  • 先進国株式
  • 新興国株式
  • 国内債券
  • 外国債券
  • 国内REIT
  • 外国REIT
  • 現金や預金

すべてを持つ必要はありません。

大切なのは、自分の運用目的やリスク許容度に応じて、値動きの異なる資産を組み合わせることです。

たとえば、株式の値下がりに耐えられない人が株式100%で運用すると、暴落時に怖くなって売却する可能性があります。

その場合、期待リターンは多少下がっても、債券や現金を組み合わせた方が、結果的に長く運用を続けられることがあります。

米国株は何%持てばよいのか

米国株の適切な割合は、人によって異なります。

米国株を資産全体の5~10%に抑えるべきという一律の基準があるわけではありません。

たとえば、全世界株式型の投資信託を保有している場合、その中には米国株がすでに多く含まれています。

S&P500に連動する投資信託を中心に運用する人もいますが、その場合は米国市場への集中度が高くなります。

どちらが正しいというよりも、次の点を理解して選ぶことが重要です。

  • 米国株へ集中するほど、米国市場の影響を強く受ける
  • 全世界へ分散すると、特定の国への依存を抑えられる
  • 分散すれば、必ず米国株を上回るわけではない
  • 集中投資は高いリターンを得る可能性と、大きく下落する可能性の両方がある

米国株の比率を考えるときは、投資信託の名称だけでなく、中身まで確認しましょう。

複数の投資信託を保有していても、すべてに米国株が多く含まれていれば、実質的には米国株への集中投資になっていることがあります。

老後資金や教育資金は「最大リターン」だけで考えない

老後資金や教育資金など、使う時期が決まっているお金では、最大限のリターンを狙うことだけが正解ではありません。

たとえば、子どもの大学進学まで残り3年しかないのに、教育資金のほとんどを株式で持っていると、入学直前の暴落に対応できない可能性があります。

老後資金も同様です。

退職直前に資産の大半を株式で保有していると、暴落した状態で生活費のために売却しなければならないことがあります。

使う時期が近づいた資金は、少しずつ現金や債券などの比較的値動きが小さい資産へ移していくことも検討しましょう。

投資期間が長いときは成長性を重視し、使う時期が近づいたら安定性を高める。

このように、ライフステージに応じて資産配分を変えることも、広い意味でのリバランスです。

ニュースを見て投資判断を変えない

毎日、金融ニュースや株価を確認していると、何か行動しなければならない気持ちになります。

しかし、長期投資においては、日々のニュースの多くが投資方針を変える理由にはなりません。

景気後退、戦争、金利上昇、選挙、企業業績など、株価が動く理由は常に存在します。

それらをすべて正確に予測し、適切なタイミングで売買し続けるのは困難です。

むしろ必要なのは、

  • 投資目的を決める
  • 運用期間を確認する
  • 資産配分を決める
  • 定期的にリバランスする
  • 市場が荒れても継続する

というシンプルな仕組みです。

ニュースを見るたびに投資方針を変えるのではなく、自分で決めたルールが今も妥当かを定期的に確認する程度で十分でしょう。

まとめ|米国株の買い時を当てるより、続けられる仕組みを作ろう

米国株が今後上がるのか、さらに下がるのかを正確に予測することはできません。

だからこそ、相場を当てることを投資の前提にしないことが大切です。

長期の資産形成で意識したいのは、次のポイントです。

  • 投資するお金を使う時期を確認する
  • 値下がりに耐えられる範囲で投資する
  • 感情ではなくルールに沿って行動する
  • 複数の資産へ分散する
  • 定期的にリバランスする
  • 近いうちに使うお金は株式へ投資しない
  • 毎日のニュースで投資方針を変えない

米国株が下落すると、買うべきか売るべきかという二択で考えがちです。

しかし、本当に大切なのは、その場の判断ではありません。

市場が上がっても下がっても続けられる資産配分と、感情に左右されない仕組みを作ることです。

イガラシ
イガラシ

買い時を探し続けるよりも、自分の目的に合った投資ルールを整えることが、長期的な資産形成への近道になります。

※この記事は、特定の金融商品や売買のタイミングを推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。ご自身の投資目的、運用期間、家計状況、リスク許容度を踏まえて判断してください。

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