「Sell in May(セル・イン・メイ)」という言葉、聞いたことありますか?これは「5月になったら株を売ろう」という意味です。でも、本当に5月に株を売るのがいいのでしょうか?そして、毎月一定のお金を株に入れていく積立投資をしている人は、どう考えればいいのでしょうか?今回は、この「Sell in May」について、そして積立投資をしている人がどう対応すべきかを、わかりやすく解説します。
「Sell in May」って何?その歴史と理由
「Sell in May」とは、5月に株式市場から資金を引き揚げる、つまり株を売るという投資戦略のことを指します。この言葉は、英語で「Sell in May and go away」とも言われ、その起源はイギリスのロンドン市場にさかのぼります。長い間、ロンドンの金融関係者たちは夏休みを利用して田舎で過ごすことが一般的で、市場が閑散とする時期とされていました。このため、5月から株を売って資金を引き揚げ、9月に戻って再び投資を始めるという習慣が生まれました。
この「Sell in May」の理由として、夏場は企業の業績が低迷しやすく、株価が下がる可能性が高いとされています。また、夏場には多くの投資家が休暇を取るため、市場の動きが鈍くなることも要因のひとつです。これらの理由から、5月に株を売り、夏場を避けて投資を行うという戦略が生まれました。
しかし、現代の株式市場はグローバル化が進み、投資家たちも様々な国や地域に散らばっているため、「Sell in May」の効果が現代でも有効なのかは疑問視されています。
「Sell in May」って本当にあるの?
「Sell in May」効果は本当に存在するのでしょうか?統計的には、この効果の存在を示すデータも確かにあります。歴史的に見て、多くの株式市場で5月から10月までの6ヶ月間は、それ以外の時期に比べて平均的なリターンが低い傾向にあります。
しかし、これはあくまで「平均的な」傾向であり、全ての年で5月から10月までのリターンが低いわけではありません。また、この期間でもしっかりと上昇する年も存在します。そのため、「Sell in May」が絶対的な法則として機能するわけではなく、投資家がこのアノマリーに頼るべきではないと考えられます。
また、「Sell in May」を適用することには手数料や税金の面でデメリットもあります。頻繁に売買を行うことで取引コストが増えます。また、売却により利益が出た場合、それに対する税金が発生します。これらのコストを考慮に入れなければ、「Sell in May」が本当に利益をもたらす戦略なのかは確認する必要があります。
したがって、「Sell in May」は一部のデータに基づいた現象であり、その適用は投資家の判断に委ねられます。
積立投資と「Sell in May」、どう付き合う?
「Sell in May」の話を聞くと、5月から10月までの間に株を売ってしまった方がいいのかな?と思うかもしれませんよね。しかし、積立投資をしている人にとっては違う視点が必要です。
たとえ「Sell in May」通りに株価が下がったとしても、それは積立投資にとっては悪いことばかりではありません。なぜなら、積立投資は毎月同じ金額を投資しますため、株価が下がっているときはその分、多くの株を買うことができます。そして、その後株価が上がったときには、たくさんの株を持っている分、より大きな利益を得ることができます。
これを「ドルコスト平均法」といいます。つまり、株価が上がったり下がったりする市場の動きを利用した、長い期間をかけた利益を増やす方法です。
さらに積立投資をしていると、売買のタイミングを気にする必要もなく、手数料や税金を節約することもできます。よって、「Sell in May」を気にするよりも、毎月一定額をコツコツと投資し続ける方が、結果的にはよりよい結果を得ることができます。
まとめ
「Sell in May」は5月から10月の株価下落傾向を示す言葉ですが、毎年確実に起こるわけではありません。積立投資を行っている人は、毎月一定額をコツコツ投資し続けることが重要で、「ドルコスト平均法」により長期的なリターンの向上が期待できます。投資目標やリスク許容度に合わせて、最適な方法を選び、長期的な視野を持って資産形成に取り組みましょう。
積立投資家にとって夏は仕込み時!この時期は積立をやめないようにがんばりましょう!
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